A.手術を終えて、帰宅されるときには少しずつ見えるようになっていきます。
散瞳で瞳孔を開かせて手術しますので、しばらくは視界がぼやけて見えますが、気を付けながら歩く分には問題のない程度です。当クリニックでは送迎を行っていますが、その帰りの車窓から、すでに外の景色は見えてきます。
もしも「よく見えるようになったと実感するのは何日後?」というご質問であれば、通常は翌日~7日後には手術前との見え方の差を感じていただけます。ただしその部分の個人差はかなり開きがあるのです。
「見える」という現象は目だけが司っているように思われがちですが、実は網膜に映った像のデータを脳が視神経経由で受け取って認識した結果「見えた」と感じる状態になります。つまり多焦点眼内レンズ手術で新しい見え方になったら、脳がその見え方に慣れ、対応できるようになるのを待たなければなりません。脳が慣れるまでの日数が人によって異なるわけです。
多焦点眼内レンズ手術を受けると急に若い頃のように、近くも遠くも見えるという見え方に戻り、最初はすぐに脳が慣れないせいで戸惑う方もいらっしゃいます。しかし、必ず徐々に慣れてきますので安心してください。
術後に定期検診を受けるたびに、医師から「見え方はどうですか?」と聞かれると思います。もし違和感があれば、できるだけ具体的に伝えるようにしてください。
さいごに
今回は「手術を受けたら、何日後ぐらいから見えるようになりますか?」という質問について回答しましたが、いかがでしたでしょうか?
医師には目だけではなく、全身状態についてしっかり伝えておきましょう。
次回は[手術後はいつ頃から勤めを再開できますか?]という質問に回答していきます。
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