鈴木眼科グループ 院長 兼 主任執刀医の鈴木高佳です。
本日もみなさまに役立つ目の情報をお届けして参りますので、どうぞお付き合いください。
春が訪れ、これから夏が本格的に始まりますね。
そこで皆さんに質問です。日焼け対策はきちんとされていますか?
肌への対策はもちろんですが、ここでいう対策とは『目の日焼け対策』のことです。
今回は、紫外線が及ぼす目への影響と、正しい対策を紹介しますので、『目の日焼け対策』がいかに重要か、ぜひ覚えておいてください。
1.目の日焼けは肌の日焼けに繋がる
2.紫外線による目への影響
3.正しい目の紫外線対策
4.さいごに
恐ろしいことに、目が日焼けすると肌も日焼けしてしまうことはご存知でしょうか。
これは、角膜が紫外線を吸収すると、脳から「メラニン色素を作って肌を守ろう」という指令が出されるためです。
メラニン色素は、肌が日焼けするときに紫外線から肌を守るために分泌されるものです。
これによって肌の色が濃くなりますが、これと同じことが目の日焼けによっても起こるのです。
この時メラニン色素が過剰に作られると、シミやそばかすの原因にもなります。
紫外線が及ぼす目への影響は皆さんが想像する以上に深刻です。
紫外線は、目の角膜や水晶体にダメージを与え、様々な病気のリスクを引き起こす原因になります。具体的には、角膜炎、翼状片(結膜が異常増殖し、目頭から黒目に覆いかぶさる病気)、白内障などです。最悪の場合、失明に繋がる場合もあります。
特に50歳以上の方は加齢とともに目の細胞自体が弱くなっているので注意が必要です。
まず大前提として、真夏の炎天下は裸眼での外出を控えることが大切です。
方法としては、サングラスをかけることが一般的ですが、普段かけないものをかけるのに抵抗があるという方は、サングラスの代わりにUVカットが施された眼鏡をかけていただいても問題ありません。ポイントは、必ずUVカットが施されているレンズであること。
UVカット加工の無いサングラスで、濃い色のものは、瞳孔が開くためかえって多くの紫外線を取り込んでしまいます。眼鏡をかけるのも抵抗があるという方は、つばのある帽子やサンバイザーを被ることも効果的です。
角膜ダメージをケアする目薬をサングラスや帽子と併用すると、更に紫外線防止の効果が高まります。
今まで目の日焼け対策はしてこなかったけれど特に問題は起きていない、という方もいらっしゃるかもしれません。ですが地球温暖化の影響で年々、私たちが受ける紫外線の量は増えています。
若いころに蓄積された紫外線のダメージが今になって病気という形で現れる可能性もないとは言い切れません。
今から対策をすることで防げる病気もありますし、もし可能であれば、特に問題が無くても一度目の健康診断を受けてみてはいかがでしょうか。
今は当たり前に見えている景色を、これからもずっと当たり前に見続けられるようにしていきましょう。